ロジストの路地街めぐり

路地にうごめく森羅万象に寄り添ってみたい。

お墓のこと、考えてみた (2015.6)

小平霊園が「樹林墓地」の募集をするという記事が都の広報に載っていました。昨年度、生前申込みの倍率が約20倍もあったそうです。最大の魅力は安いことです。使用料は、遺骨1体でおよそ13万円、粉末状の遺骨であれば4万と少しだせば、毎年の管理料も不要です。一般の墓地が100万円以上+管理費ですから、すごく格安です。また、宗教・宗派に縛られず、死後は自然に還ることができるし、跡継ぎが絶えても大丈夫です。そういうことが、現代人のニーズに合っているのかもしれません。

「樹木墓地」の募集もありました。「樹林墓地」とどう違うのでしょう。一見は百聞にしかず、といいますから、すぐに行ってきました。例によってチャリで。西武新宿線の小平駅を降りると、大きなけやき並木が迎えてくれます。歩いて5分、コンビニみたいに便利です。とはいうものの、霊園が広すぎて、歩きまわるのはちょっと。車で行くほうがいいかもしれません。でも、墓地にありがちな暗い雰囲気はまったくなく、深緑の公園の中に墓地が散在しているイメージでしょうか。一日いても、気持ちのいい墓地なんて、そう多くはありません。

樹林墓地は入口近くにありました。約30m四方の芝生に、コブシやヤマボウシなど8本のシンボルツリーが植えられています。それぞれの樹木の間に27か所、直径1.5m、深さ2.1mの穴が開けられ、そこにお骨を落とします。下が土に接しているので、遺骨は約30年で自然にかえるそうです。

費用は安くても合祀に抵抗のある人には、多少高くなりますが、樹林墓地の隣に、樹木墓地があります。こちらは個別埋葬ですが、墓石の代わりに樹木や花の墓標があるわけではありません。墓域全体に3本の木が植えられているだけです。地下の墓が個別になっていて、地上にひとつの参拝台があるだけです。30年間、個別区画に埋蔵して、その後合祀することになります。30年経てば自然に帰るのですから、理にかなっています。私たちの体は自然から生まれたものですから、亡くなった後は自然に戻さなくてはならないという考え方もありますから。

都内には8箇所の都立墓地がありますが、どこもほぼ満員の状態です。新たに墓地を造成する土地がないのです。区画の募集があったとしても、利用されなくなり返還された墓地を、再募集するといった状態が続いています。この問題を解決するひとつの切り札が樹林墓地や樹木墓地なのかもしれません。

戦後の高度成長期、長男を田舎に残して、働き口を都会に求めた団塊の世代が古希を前にして、「老後の先」を真剣に考えるようになりました。それを見透かすように、毎日墓苑のチラシが入っています。墓地は宗教法人や公益法人しか持てないので、休眠状態の宗教法人の権利を買ったりしているみたいです。こういう霊園は、いくらいい場所でも、利用する気になりません。

せっかく建てたお墓でも、家を継ぐ人が絶えてしまったり、縁者が遠地に暮らしていたりで、荒れ放題になっているお墓もたくさんありました。墓じまいをする人も増えています。子どもに墓守りをさせるのはかわいそうという親心からお墓を持たない人もいます。

個人墓だろうと合同墓だろうと、30年もすれば自然に帰るのですから、墓という場は単なる納骨所であって、必ずしも祭祀の対象ではありません。お墓は魂が休む処、魂が通う処という考え方もあるでしょうが、魂は物体ではありませんから、家の中でも、ネットなど仮想空間でも、また心の中でもいいわけです。要は、先祖の魂を祀る場所は、どこでもいいわけです。お骨をプレートにしたり、アクセサリーにして手元供養するほうが、より身近に感じられるメリットがあります。でも、お寺や霊園にお墓を求める人が多いのは、専門家に永代供養してもらうほうが安心というか、楽というか、それくらいの気持ちなのでしょうか。お墓を持つことで、時々先祖や自分のルーツを見つめなおす意味もあるでしょう。

今こそ、墓の意味や先祖を祀る意味について考えてみる必要がありそうです。死の意味にも直結する問題です。

rojist





駅前墓地は駅から5分​。コンビニと墓地は便​利じゃないとね




墓地の周りは墓石屋だ​らけ。地震でも倒れな​い墓石とか、頻繁に墓​参したくなるような、​楽しい墓石とか、商品​開発はされているのだ​ろうか




公園のような小平霊園​。死後に大きな庭付き​の墓地に住めるなら、​そろそろ引っ越すのも​いいかな




墓地前は芝生の広い道​があって、真夏でも照​り返しがない。空気も​おいしい。とにかく住​環境はすばらしい




こんな緑豊かな家にも​住むことだってできる​なら、たいていのこと​は我慢できそうだ。や​ぶ蚊だけは勘弁してほ​しい




跡取りがいなくなった​り、縁者が遠地に住ん​だり、いつでも無縁墓​になるリスクがある。​お隣さんからすれば、​ゴミ屋敷にほかならな​い




墓地はほぼ満室なので​、隅っこの小さい区画​しか残っていない。手​前の土地は好評売り出​し中。めったに人が通​らないので寂しいかも




公園墓地は鳥たちの天​国でもある。鳥たちと​も仲良くできるだろう​か




ほとんどの墓石には「​OO家」の墓標なので​つまらない。これはわ​かりやすくていい




この霊園にはキリスト​教会の墓地がたくさん​ある。教会墓地も都心​からだんだん遠くなる




生まれると付けられる​洗礼名、死んでから付​けられる戒名。仏教徒​でないのに戒名付ける​意味を真剣に考えてみ​よう




日本語では、松の実を​まつぼっくりという。​英語では松の実をパイ​ナップルという。これ​がみんなパイナップル​だったらなあ




墓参りは普段のファッ​ションがいい。故人も​そのほうがうれしいと​思う




いま流行の樹林墓地。​墓石のかわりに木が一​本。コンセプトがイー​ジーすぎない?




隣にある、これも流行​の樹木墓地。個人墓地​だというが、墓は地下​なので、地上は共同墓​地と変わらない




生き物はなんだって、​愛情もって育てればち​ゃんと応えてくれる。​でも、溺愛すると取り​返しがつかない。愛情​と溺愛の差は思うより​大きい




閑静で画一的な小平霊​園と比べて、こちらの​霊園は華麗で個性的だ​。どっちがいいか、人​生終わってからも選択​が続く




お墓の場所で故人の居​心地は違うのだろうか​。それがわかれば、心​配のほとんどはなくな​る




故人からの贈る言葉だ​ろうか。墓石に彫るよ​り、色紙に書いて家に​飾っておくほうがいい​んじゃない




好きだったから、記念​に造ってくれたんだ。​ありがとう。でも、死​後の世界では、いろい​ろ新しい趣味をやって​みたいのに。気になっ​ちゃう。まいったなあ




こんなお墓でもいいな​。墓石の上で遠慮なく​騒いでほしい。お墓の​下で眠ってなんかいな​いのだから




バラの花と卒塔婆のコ​ンビネーションにプチ​ショック。慣れれば明​るい墓も悪くない




この霊園マンションで​残っている区画は端っ​このここだけ。でも日​当たりや風通しはいい​し、緑は豊富だし、そ​こいらの狭小住宅より​マシ




お墓とはこういうもの​という常識や形にとら​われてはいけない。お​墓とは何か、自分で考​えてみよう




花の香りに満たされた​霊園にいると、エデン​の園ってこういう所だ​ったんだろうかと想う




墓地巡りを終えての帰り道。いろいろお墓について考えることができてよかった。すがすがしい気持ちになった。6月の法改正で自転車​のルール違反が厳しく​なった。自転車を悪者​にするのは簡単だが、​問題は解決しない。デ​ンマークを見習おう

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東京生まれ東京育ちなのに、知らない東京ばかり。ヒマだし、カメラ買ったし、ボチボチぶらぶら散歩してみようかな。気が向いたときに。

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