ロジストの路地街めぐり

路地にうごめく森羅万象に寄り添ってみたい。

横浜たそがれ (2014.8)

「真夏の夜景を撮りに行こうよ」と誘われて横浜にやってきました。写真を撮るようになって約3年、初めての夜景撮りです。今まで意識して避けてきたわけではありません。ただ、面倒だっただけです。

午後5時頃、野毛の商店街からスタートです。ここには約120の店舗がありますが、そのほとんどは飲食店です。初めての野毛ですが、事前のイメージは、「小汚いおやじの街」でした。東横線がみなとみらい線と直結したため、昨年、東横線のターミナル駅だった桜木町駅が廃止されました。それ以降、客足が3割減ったと言われているので、さぞや閑散としているだろう、そんな街撮りもまた興をそそる、そんな思いを描いていました。

実際に訪れた野毛は、まだ寝起きのたたずまいの中にありました。かったるい空気が充満しています。薄暮というにも少し早い。ゆっくり歩いているのに、蒸し暑さが服にまとわりついて、気持ちが悪い。おやじ臭がしていないか、気になります。

通りかかった老舗のジャズ喫茶「CHIGUSA」、隣はピアノバー。なんだ、なかなか、しゃれてるじゃん(浜言葉を使ってみた)。それほど広くない店が、おじさんたちで、ほぼ満員。壁を埋め尽くす巨大なスピーカーに向かって、誰もが整然と座っている、まるで映画のスクリーンを見ているように。オーディオファンに無駄口はいりません。ただ座って、音楽の世界に漂う、それだけで幸せ。そんな雰囲気でした。たしか、わが家の倉庫に、30年以上前に使っていたターンテーブルがあったはず、アンプもスピーカーも、LPだって何枚もあったはず。今度出してみようと思います。

もう一軒、気になったお店に「旧バラ荘」というのがありました。通りかかったときは、まだ開店前でしたが、妖しい貼り紙が何枚もあって、それに店名が店名なので・・・。帰宅してからも、頭から離れません。寝ぼけ眼でネット検索をしたところ、すぐに見つかりました。戦後まもなく誕生したときが、「バラ荘」というバー。惜しまれながら2006年に閉店して、野毛通信社という会社になりました。その後、元旅行会社の営業マンが「旧バラ荘」としてバーを開店しました。飲食の経験もないのに。きっとバラ荘が大好きだったんでしょう。あのアラーキーが、JRのガイドブックの表紙に撮ったのが、このお店だそうです。表紙に這う真紅色のコピーには、「ネオン色した掏りガラス。遠くで聞こえるアコーデオン。ストーリーが始まる。ヨコハマ」とあります。なんとも、そそるではありませんか。

野毛が旧市街だとすれば、みなとみらいは新市街です。舗装されて道幅も広くなったとはいえ、まだ路地のある野毛の街、そこから10分足らずしか離れていない、みなとみらいは、隣町とは思えないほど、異世界のたたずまいです。この日も親子連れで大混雑しています。高層ビルが林立する様は、壮観ですし、きれいではあっても、なぜか心が動きません。東京でも、豊洲や台場などの新世界に魅力を感じないのと同じなのかもしれません。何が足りないのかを考えてみたところ、作り物にありがちな、無味乾燥感が勝ちすぎるのでは、街に深みと暖かさが足りないのでは、そんなところでしょうか。門外漢なのに生意気ですが、都市計画の理念を根本から考え直せないものでしょうか。

日がとっぷりと暮れてから、再び訪れた野毛にびっくり。さきほどの静寂さがウソのように、大賑わいしています。外に行列を作る飲食店もたくさんあります。蒸し暑いのに、冷房の効いた店がほとんどありません。店の中も外も、むんむんしています。夏休みの家族ずれや学生たちではない、明らかに勤め帰りの感じですが、ワイシャツ姿が少ないところを見ると、IT系のサラリーマンでしょうか。男も女も、若者が目立ちます。わけ知り顔の外国人たちもちらほらいます。

どっこい、野毛の飲み屋街は生き残っていた。この事実を知っただけでも、ほろ酔い気分のせいだけではなく、ほっこりした気持ちになりました。

rojist





午後5時、野毛の飲み屋街のたそがれ時。まだ寝起きのかったるい空気が漂っている




大岡川の土手に覆いかぶさるように建つ都橋商店街。「ブルーストリート」と名づけてみた




たこ焼き屋さんの開店前、慌しくも、静かな時間が流れる。わずか2坪に満たない場所にも、毎日小さな物語が紡がれていく




一番気になったお店。名前といい、妖しげな貼り紙といい、妙にそそる。実は知る人ぞ知る店だという。人は歴史を知ると見方も変わる




野毛で見つけた、こじゃれたジャズ喫茶にピアノバー。イメージはおっさんの街だったのに。百聞は一見にしかず




ジャズ喫茶の夜。お客の誰もが巨大スピーカーに行儀良く正対している。誰も無口で、ここにはながら族はいない




この夜の蒸し暑さはハンパないけど、飲んでる人も待ってる人も、みんな外にいる




突然出会った美空ひばりの像。似てるような似てないような。周りは飲食店、サウナ、馬券売り場。かわいそうなひばりさん




あっ、危ない!傾いた電柱からトランスがすべり落ちそう。と言いながら、落ちるところを見たがっている自分がいる




4人しか思い浮かばなかったんだろうか、中国の有名人。まだほかにいるよね。メニューみたい




こんなボインの馬が競馬をしていたら、順位はどうでもよくなってしまうだろう




駅の構内に置いてあったけど、れっきとした芸術作品らしい。でも近寄ると匂いがする。先入観は難物だ




ジョギングの途中だろうか。スポーティなのにアンニュイな雰囲気が妙にセクシー




ビルは何でも映す巨大なスクリーン。脚本も演出もない、ただ事実のみを映す。ウソつきは近寄らないほうがいいよ




モデルは総合芸術のパフォーマーだと思う。どんなTPOでも一瞬で相手に好感度を与えるのは、簡単じゃない




わざわざランドマークと名乗る必要はないけれど、どの街にもランドマークはある。あなたの街のランドマークって?




ずっと夜景を撮りたかった赤レンガ倉庫だけど、実際に目にしたら、感動しなかった。感動する心をいつまでも持ち続けることは難しい




闇のない夜は、夜じゃない。闇の住人は闇を求めてどこへ行ったんだろう




人生には決まったレールが敷かれていると言う人がいる。いや、そもそも自分の前にレールなどはないと言う人がいる。いやいや、どちらに一歩を踏み出すか、毎日あみだくじを引かされているのが人生だと言う人もいる

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東京生まれ東京育ちなのに、知らない東京ばかり。ヒマだし、カメラ買ったし、ボチボチぶらぶら散歩してみようかな。気が向いたときに。

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